抜歯後のカラダは非常にデリケートな状態。
そのため、食事のタイミングや食べるものにも注意が必要です。
そこで今回は、抜歯後におすすめの食事や、とりたい栄養素を
管理栄養士の視点からご紹介します。
目次
この記事の目次
1. 抜歯後の食事はいつから?
抜歯してどのくらいの時間が経ったら食事をしても問題ないのでしょうか?
答えは、「麻酔が切れてから」
麻酔が効いた状態で食事をすると、感覚がないため知らずに口の中を噛んでしまったり、火傷してしまったり、、、と口内を傷める危険があります。
抜歯の麻酔はたいてい1~3時間程度で切れるので、食事はそれからするのがおすすめです。
頬や唇などを触って、感覚があるかで麻酔が切れたかどうか確認してみてくださいね。
2. 抜歯後におすすめの食べ物は?
続いて、抜歯後におすすめの食べものを紹介します。
ポイントは、「流動食などやわらかく消化のよいものを食べること。」
たとえば以下のような食事がおすすめです。
- おかゆ
- 柔らかく煮たうどん
- とうふ
- 茶碗蒸し
- ヨーグルト、プリン
- スムージー
炭水化物とたんぱく質をどちらも摂ることが大切です。
日にちが経過して傷が治ってきたら、徐々に食べられるものを増やしていってくださいね。
3. 抜歯後に必要な栄養は?
抜歯後には、傷の修復、組織や皮膚の形成に必要な栄養素を十分に摂ることが大切です。
順番に見ていきましょう。
3-1. たんぱく質
皮膚、靱帯、骨を作るコラーゲンはたんぱく質が由来。
また、傷からの浸出液(しみ出してくる液)の中にはたんぱく質が含まれます。
そのため、抜歯後では普段よりもたんぱく質の必要量が増えます。
たんぱく質の多い「肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品や乳製品」
をしっかりと摂りましょう。
3-2. 亜鉛
亜鉛は免疫力を高め、新陳代謝をアップしてくれる栄養素。
亜鉛を多く含むのは「牡蠣、レバー、玄米、卵、大豆、ごま」などです。
玄米と卵のおかゆ、であれば、柔らかいので抜歯した日にも食べられます。
3-3. ビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜を保護してくれる栄養素。
「緑黄色野菜やチーズ・バター・マーガリンなどの乳製品、卵」に含まれます。
うどんに野菜や卵を入れて煮込みうどんにすれば、麺も野菜も柔らかくなり歯が痛くても食べやすくなりますよ。
3-4. ビタミンB群
ビタミンB群(B2/B6/B12/ナイアシン)は皮膚や粘膜の代謝を促進し、健康に保つ栄養素。
「ごまやのり、卵やバナナ」などに含まれます。
おかゆにのりの佃煮をプラスするのも、気軽にできておすすめです。
3-5. ビタミンC
ビタミンCは、皮膚のコラーゲンの形成に必要な栄養素。
摂りやすいのはイチゴやかんきつ類などの果物です。
ですが、傷が治るまでは果物中に含まれる酸に染みてしまうことも。
そこでおすすめなのがジャガイモやサツマイモです。
これらは柔らかく食べやすい上に、意外にもビタミンCを多く含んでいるんです。
また、芋類のビタミンCはでんぷんによって守られているため、長期保存や加熱調理をしても壊れにくいという特徴があります。
ぜひ、積極的に取り入れてみてくださいね。
4. 避けたほうがよい食べ物
反対に、摂取すると傷の治りを遅らせてしまったり、悪化させたりする可能性がある食べものもあります。
以下のようなものは抜歯直後には避けるようにしましょう。
4-1. アルコール類
ビールや焼酎などのアルコールは血行を促進してしまいます。
そのため、傷口からの出血を増やし、傷が塞がらず治りが遅くなってしまう恐れも。
抜歯後の飲酒は控えましょう。
4-2. 香辛料
唐辛子などのスパイスも、刺激の強い食べ物です。傷口にダメージを与えてしまうので、抜歯直後は控えましょう。
4-3. かたい食べもの
おせんべいや、フランスパンなどの硬い食べ物は、口の中を刺激してしまったり、破片が傷口に当たると傷を悪化させたりしてしまいます。抜歯直後は避けましょう。
まとめ
今回は、抜歯後の食事と必要な栄養についてまとめました。
ポイントは、以下のとおりです。
・食事は麻酔が切れてから
・柔らかく、消化の良いうどんやおかゆから食べる
・傷を治すために、たんぱく質やビタミン類をしっかりとる
・血餅を剥がさないよう、刺激が多いものは避ける
もちろん無理は禁物ですが、しっかりと栄養をとることが、抜歯後のカラダを労わる一番の方法です。
食事制限を少しでも負担なく過ごしていけるよう、工夫していけるといいですね。
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