【管理栄養士が解説】冷凍食品・冷凍野菜の本当のメリット・デメリット

お弁当と冷凍食品

 

毎日の調理に、そしてお弁当に便利な冷凍食品。
でも、「栄養は失われる?」「添加物は入ってる?」と不安な方も多いのでは?
身近なのに実はよく知らない、そんな冷凍食品の基礎知識を、管理栄養士の視点からお伝えします。

目次

 

 

1.冷凍食品・冷凍野菜の特徴3つ

 

まずは「冷凍食品」の基本から。
みなさんご存知のことも多いかと思いますが、あらためて「冷凍食品ってどんなものをいうの?」かを説明させていただきます。
普段目にする冷凍食品には、3つの大きな特徴があります。

1-1.適切に前処理されている

材料をきれいに洗い、野菜の皮や種、魚の頭や骨などを取り除くなどの「下ごしらえ」がすべて終わっています。これは家庭で行うのは中々時間がかかり、面倒な部分ですよね。

また、冷凍野菜は「ブランチング」という下ゆで作業もされています。ブランチングを行う目的は、生野菜に含まれている酵素が変色を起こすのを防ぐためです。このブランチングでは、完全に火を通すわけではなく、7割程度の加熱を行います。そのため、家庭での電子レンジでの解凍や炒め調理によってちょうど良い火の通りになるのです。

フライなどのお惣菜の場合は、味付けをしてフライの衣をつけてあるなど、衛生管理から調理の大部分までの前処理がしっかりされているのが冷凍食品の特徴です。

1-2.急速凍結されている

2つ目の冷凍食品の特徴は、「急速凍結」です。
家庭の冷凍庫で凍らせるよりもずっと早く凍結をさせています。
急速凍結のメリットは、食品の組織を壊さずに、つまり鮮度を保ったまま長期保存ができることです。
例えば、買ってきた肉を冷凍した場合、解凍した時にドリップが出ますよね。これは肉に含まれる水分が凍るときに、肉の組織を破壊しているから。
冷凍食品の場合、急速凍結によって食品の組織をそのまま保ちやすくしているのです。
そのため、美味しいままの状態を保存できます。

1-3.-18°C以下で保管されている

急速凍結された冷凍食品は、その後お家に届くまで、常に「-18°C以下」の状態を保たれています。
パッケージにも、よく見ると「-18°C以下で保存してください」と書かれています。
この温度で管理することにより、冷凍食品は劣化や微生物の繁殖を防いで、味と安全性を保っているんです。
なので、買ってきた冷凍食品は、-18°C以下の冷凍庫で保管するようにしましょう。

2.冷凍食品・冷凍野菜のメリット

便利な冷凍食品ですが、メリットとして挙げられるのは以下の4点です。

2-1.時短になる

冷凍食品の便利さと言えば、やはりこれですね。
あらかじめ下ごしらえや調理がされているので、調理時間を短くすることができます。
忙しい朝にお弁当を作る時などには特に便利。
唐揚げやコロッケといったお惣菜を使うのはもちろん、手づくりする余裕のある日でも、冷凍野菜や冷凍シーフードミックスを使うことで、調理の手間はぐんと省けるはずです。

2-2.保存期間が長い

ふたつめのメリットは、長持ちすること。特に野菜などの「生では長持ちしないもの」にとっては、非常に大きなメリットです。
特に一人暮らしの方に、冷凍野菜はオススメです。ひとり分の食事を作る場合、野菜を使い切るのはなかなか大変。悪くなる前に食べ切ろうと思えば、毎日同じ食材を食べ続けなければいけないことにもなってしまいます・・・

それだとなんだか食べるのがミッションのようになってしまい、食事が楽しくなくなってしまいますよね。
しかし、冷凍野菜の場合は必要な分だけ取り出して使って、残りは冷凍しておくことができます。数種類の野菜を買っておけば、バリエーションが出るのもいいですよね。

2-3.保存料を使っていない

これはあまり知られていない冷凍食品のメリット。「添加物が気になる」という方には、ぜひ知っていただきたいです。
冷凍食品は微生物が繁殖しない-18°C以下を保った食品。そのため、保存料を使う必要がないのです。
ちなみに、冷凍ほうれん草やブロッコリーなどは鮮やかな緑色をしていますが、これは着色しているわけではありません。ブランチングによって火を通しているため茹でた時のような綺麗な色が出ています。
ただし、あらかじめ調理がされているお惣菜などの場合は、必要に応じて添加物を使用しています。気になる方は、パッケージを確認してみてくださいね。

2-4.実は栄養価が高い!

こちらもあまり知られていないメリット。野菜は季節によって栄養価が異なりますが、冷凍野菜は旬の野菜を新鮮な状態で凍結しているため、栄養価が保たれています。
ブランチングによってビタミンやミネラルが減ることはありますが、家庭での調理でも下処理の段階で同じ程度減ってしまいます。それを考えると、旬を外れたものについては冷凍野菜の方が安くて栄養もあるということが多いです。

3.冷凍食品・冷凍野菜のデメリット

便利で安全な冷凍食品ですが、デメリットがないわけではありません。メリットばかりではなくデメリットも知って、上手に使いこなしましょう!

3-1.種類が限られている

冷凍食品の種類はどんどんと増えていますが、それでも限界はあります。
ワンパターンな食卓になれば、栄養の偏りも起きやすくなりますので、冷凍食品ばかりに頼りすぎず、いろいろな食材を食べるように意識できるといいですね。

3-2.旬の野菜に比べると高い場合が多い

野菜の値段は天候などの影響を受けやすいもの。
冷凍の野菜は値段が安定している一方で、旬の野菜に関しては生野菜の方が安いことも多いです。
なので、便利さと値段のバランスを考えて選びたいところ。
上手に使うためには、メリットを最大限に活かすのがポイントです。

・旬の野菜は生のものを選ぶ」
・忙しいときには冷凍野菜を使う」
など、賢い使い方をしていきたいですね。

3-3.味が濃い

冷凍食品に限らず、外食や加工済みの食品は、一口目で「美味しい!!!」と感じてもらうために、濃いめの味付けがされていることが多いです。そのため、加工済みの冷凍食品を使う場合は、

・ご飯は味付けではなく白米にする
・その他のおかずでは塩分を控えめにしてお酢やスパイスを使う

と献立全体としてのバランスが整います。

 

4.冷凍食品・冷凍野菜メリット・デメリットのまとめ

・冷凍食品は、急速凍結することで栄養や美味しさを保ってます
・手軽に使えて、長期間ストックできる忙しい方の味方です

・冷凍食品だけでは食材のバリエーションが少なくなるので、旬の野菜などと上手に使い分る必要があります

 

冷凍食品のメリット・デメリットを理解して、上手に使ってくださいね!

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